炎上中の『牧場物語オリーブタウンと希望の大地』を真剣レビューした

bokujou

2021/3/3追記
公式サイトにて、プロデューサーからファンの皆さんに向けて発表がありました。
現状のバグや一部シナリオの表現について修正と改良を進めていくとの事ですので、一度読んでみてください。

みなさんこんにちは、ちいこです😊

先日オリーブタウンの最速レビューをあげたのですが、海の漢 エミリオと結婚・出産を終え一通り遊びつくしたので、改めてレビューしていきたいと思います。

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今やSNSやAmazonで中々に叩かれている今タイトル、25周年だからこそとファンの期待は大きかっただけに反響も凄いということなのでしょうが、牧場物語20年目のファンが、40時間「牧場物語 オリーブタウンと希望の大地」をプレイした感想を赤裸々に書いていきたいと思います。

注意
愛情ゆえに辛辣になってしまう表現があります。
牧場物語の未来に期待を込めてのレビューですので、不快になられた方は申し訳ありません。
目次

楽しめたポイント

グラフィックが美しい

前作が「再会のミネラルタウン」という過去の伝説タイトル「ハーベストムーン」のリメイク作品でしたから、グラフィックがどちらかと言うと古い感じの仕上がりでした。

今作はこれぞSwitch!と呼べる美しいグラフィックに一新されており、桜や雪が舞う街の景色は思わず写真を撮りたくなるほど美しかったです!

キャラクターの見た目も丁寧に作りこまれており、どちらかというとルーンファクトリーに近い(牧モノシリーズの中では)大人っぽいグラフィックに生まれ変わっていた事が、プレイしていてとても斬新でした。

温かみのあるグラフィックが失われた!という声もあるかもしれませんが、ゲームは進化してこそだと思っているので、リメイク作品でその良さをかき消さない限りはグラフィックが美しくなるのは良いことだと私は思っています。

シミュレーションゲーム初心者でもさくさく楽しめる

過去作の中には、序盤の牧場運営が非常に大変で、動物の世話を最短コースで攻めつつ森を駆け巡ってタケノコや資材を集めながら余った時間で鉱石を掘りながらプレゼント配布参りをする、と非常に慌ただしいタイトルもありました(コロポックルが仲良くなったら手伝ってくれると聞いて、毎日死ぬほどハチミツと小麦粉貢いだ過去の日々💦)

今作は小屋さえ直せば家畜が無料で貰えますし、真横に鉱山が掘れる洞窟があるので、序盤の金策に困ることは特にありません。また体力泥棒とも言える大量の畑の水やりもスプリンクラーを使えば一気に簡略化できますし、昔からの牧モノユーザーであれば、逆にさくさく過ぎて少し簡単すぎると感じてしまうほど。

ただし前回のレビューでもちらっとお伝えした通り、今作は室内に入っても時間が止まらないので、洞窟で掘っている間も刻一刻と時間は過ぎ去っていきます。また洞窟内の最下層を目指すのに最適なセーブ&ロード穴掘り戦法も封じられてしまいました。

1日が時間との戦いとなる部分は否めませんが、シミュレーションゲームがあまり得意でないユーザーには嬉しい仕様なのではないでしょうか?

キャラクタークリエイトと着せ替え要素の充実っぷり

個人的に前置きとして、私は牧場物語に置いて、そこまでキャラクタークリエイトや着せ替えが重要だとは思ってはいません。他の女の子NPCに劣らない容姿であれば。

今作の主人公の作りこみは非常に優秀だと思いますし、髪型や顔、服装に至るまで自分好みの主人公を作ることが可能です。ツインテールとっても可愛いです。

ただあまりに出来過ぎて、どのNPCよりも男主人公がイケメンになってしまっているのは少しだけ残念でした。攻略させてくれ

残念なポイント

住民や結婚相手との交流が希薄

イベントシーンなのでネタバレ防止に会話は削ってるよ!くそう、ドキドキするぜ。(再会のミネラルタウンより)

今作では、牧場物語において最大の魅力である「住民達と力を合わせて牧場、街を復興させていく」という重要なポイントが、非常に薄まってしまったように感じました。

1つ前の過去作である「再会のミネラルタウン」を例にあげても、話しかける場所や天候、時間帯や好感度、果ては主人公の体調に応じて攻略キャラクターの台詞は変化していきました。このキャラに心配されたいがためだけに、目の前でハンマー振ってHPギリギリにしてからキャラに話しかけた経験、ありません?

たかだかゲームされどゲームです、お月見前には「〇〇さんと一緒に観れたらいいな」とか可愛い事言ってくれたり、突然牧場に押しかけて顔を赤らめながらプレゼントをくれたり(上図参照)、そういったやりとりで愛情って育むものではないのでしょうか。

今作ではそういった甘い要素は一切なく、恋人になってもならなくても、結婚しても話しかければ「おはよう」「眠いね」「イベント、楽しみだね」ぐらいしか会話はなく、どれだけ好感度があがろうと会話に変化はありません。結婚しても出産しても当の本人の台詞は変わりません、周囲は祝福してくれるけど。

また特に言われているのは、会話中の「立ち絵」が削除されているということ。
過去作でも立ち絵がないタイトルはありましたし、キャラクターの個性が強くて会話のやりとりが楽しければ、立ち絵は不要だと私は思っています。でもね、今作は居ると思う。ないと名前も思い出せない。立ち絵だけは追加してあげてほしい、せめて。

結婚対象以外のキャラクターがそうなのは仕方ないと思うんです。けれど結婚対象までそこまで淡白だと、一体どこに魅力を見出して結婚したいと思えばいいのだろう、となりました。

おそらく今回同性婚が実装されたため、それに配慮されたイベントや会話なのでしょうが(感謝祭のお祭り、同性同士では成立しませんしね)それならばいっそ結婚のシステムを撤廃し、全て「親友」としてしまえばよかったのではないでしょうか?

親友ならば頷けるんです。確かに手も繋がないし愛の言葉も一切ない、結婚式でもキスはなし「そうだよね、親友だもんね!」で納得できた。

牧場物語が最初からこうであれば、あまり気にならなかったと思います。けれどわくアニでは糖度の高いイベントも多く(キス多いんですよ、あれ)、前作の再ミネですら不覚にもキュン!っとするポイント、いっぱいあったのにな。

ファミ通のレビュー記事を読みましたが今作は「男女比を揃えたい」「原点に立ち返る」がポイントとのこと、原点より恋愛要素やイベント減らしちゃだめでしょ!

予め断っておきますが決してジェンダーレス、同性婚に異論を唱えたいわけではありません。
ただ牧場物語のファンが一体何を望んでいるのか?それを改めてこのブログでも伝えていきたいな、と思いました。心機一転するのは全く悪いことではありませんが、過去作の評判であったポイントのリスペクトが欲しい…。

開催されるお祭りがどれも淡白

牧場運営は1日にやる事がどうしても限られておりルーチンワーク化しやすいため、お祭りの存在は飽き防止の重要なスパイスとなってくれていました。

しかし今作では恋愛対象との甘いひと時が楽しめる「感謝祭」や「お月見」「聖夜祭」、育てた動物達をお披露目する「鶏祭り」や「牛祭り」、などは一切省かれており、イベントの数も1か月に2、3個ほど。いずれも住民と交流している感がほとんどないものに仕上がってしまっていました。

1999年に発売された初期の「牧場物語 ハーベストムーン」よりも数が少なく、シリーズの中でも極めてイベントの少ないタイトルになっています(画像の黄色部分が、春に開催されるイベント一覧です

今一度、何故この牧場物語という単調化しやすいゲームの中で4年目、5年目と繰り返し続けるファンがいるのか、是非今一度「根本」を考えて頂きたいと願って止みません。作業ゲーが好きなわけじゃないんです。

ユーザーの反感を買ってしまう数々の問題

実際に私が感じたものでAmazonレビューでも多く取り上げられている問題を、ざっくりまとめました。

  • ロード時間が長い
  • 牛にカレーを食べさせるなど、イベント内容の程度が低い(牛育ててるんだぜ?)
  • 離婚すると、子供の存在が消滅する

ロード時間に関しては、前述したとおりですが、PCゲームやPS4と比べると確かに待ちはしますが、個人的にはそこまで気になりませんでした。
ただイベントに関しては「わざわざ動物をお世話している牧場主に言う事なの?」という親父ギャグのような物も混じっており、ジョークにしては笑えない内容も多かったように感じます。内輪ネタでは笑えたのでしょうが、我牧場主ぞ?

離婚システムに関しても、エキスパンションパックという後々実装される過去作の人気キャラクターを見越してのシステムで仕方のない部分ではあるものの、「ほのぼの」と称する世界観に不釣り合いな非情なシステムではあります。というか、「結婚前に街の時間を戻せる砂時計」など表現の仕方1つで工夫できたのではないかなあとか、開発秘話を読んだ感じ、今作はあまり世界観や裏設定にこだわっていないのかな?と思ってしまいました。

ただこれらは今後のアップデート次第で改善されていくかもしれないので、落胆せず待つことにしましょう!

総評

おすすめ度 

今作はレビューでも少し触れた通り、我らがスタデューバレーやあつ森に影響されている部分がとても多いと感じました。
最初はそう?あつ森?……と思っていたのですが、進めるごとに重きを置いているのが、牧場エリアのクリエイトと博物館への寄贈、あつ森やないかーい!

またやりこめばやりこむ程、牧場スペースを占めていくメーカーの数々。これはもう牧場でなく、工場なのでは…。

確かにあつ森やスタデューバレー、ポルティアなど、類似タイトルで人気作品は多く存在します。
けれど25年続いた牧場物語は、牧場物語にしかない魅力があるからこそ!クリエイトや島作りがしたいならば今作でなくあつ森をプレイしますし、ファンが求めているのは「牧場物語」です。

ゲームには流行り廃りがあり、旬要素を取り入れては波に乗っていかなければいけない気持ち、同じくIT企業に勤めている身として痛いほどよくわかります。
けれど是非、今一度「牧場物語とは何なのか?」和田さんが基盤を作ってきたあの世界を壊さないよう、大事にIPを育てていって頂きたいと思いました。

偉そうに色々述べましたが、もちろん中には楽しんでいらっしゃる方も多いと思います。あくまで私には合わなかった、という程度に受け止めて頂けると幸いです!

そしてこの先も、もし牧場物語が発売された時、私は期待と不安を胸にプレイするでしょう。次は是非、この牧場物語ランキングを更新出来るような新作が発表されることを切に期待しながら待っています。

何はともあれ、25周年おめでとう!

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